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発達障害の子どもにやる気を出させる8つの方法

ADHDのお子さんを出発点に立たせ、課題や目標、日々のタスクのゴールまで最後までたどり着かせるための8つの方法をご紹介します。


「あの子は頑張ればできるのに」とか「あの子は単に怠けているだけ」といった言葉を、あなたのお子さんに向けて言われたり、ご自身でそう思ったりしたことはありませんか?

お子さんには能力があるように見えるのに、宿題や課題をさせるのは一苦労だったりします。

注意欠如・多動性障害(ADHDまたはADD)は、意欲の障害とも呼ばれています。


一部の専門家は、ADHDは注意力よりも意欲に影響を与えると考えています。



ADHDと意欲の関係

育児においてADHDのお子さんや10代の若者が課題に取り組んだり完了させたりするのが難しいのには、脳の働きに関係があります。

ADHDには通常、実行機能の障害が伴います。例えば、考えをまとめたり、課題に着手したりすることが苦手です。

さらに、ADHDの人は脳内の神経伝達物質の一つであるドーパミンの量が、同年代の発達に遅れのない人よりも少ないのです。

ドーパミンは、感情をコントロールし、特定の報酬を得るために行動を起こすことを助けます。また、喜びや達成感にも関係しています。

ADHDでは、ドーパミンがうまく伝わらないため、子どもは課題を完了する意欲が湧きにくいのです。

親として、お子さんが課題に取り組み、宿題を仕上げ、とにかく物事をやり遂げるためのやる気を引き出すにはどうしたらいいでしょうか?



1. お子さんを意思決定の主体者にしましょう

他の人から指示されるとやる気が出ません。

家事や課題をするよう急かされるのは誰も好きではありません。

お子さんに選択の機会を与えると、課題に着手し最後までやり遂げる意欲が湧きます。

お子さんに、課題にどのくらい時間がかかりそうか予想させ、実際にかかった時間と比べさせます。

もっと早く取りかかるためにはどうしたらいいか、一緒に考えるよう促しましょう。



2. 目標を立てましょう

研究によると、目標を設定することで、達成される可能性が高くなります。

学年の初めに、お子さんに「将来の夢のコルクボード」を作らせてみてください。

雑誌の写真を切り抜いたり、ウェブサイトから画像を印刷したりして、その学年の終わりやそれ以降にどうなりたいか、どこへ行きたいかを表すコラージュを作ることができます。

その夢に関連した、具体的で目に見える目標を1つ挙げるようお子さんに頼みます。

例えば、1週間で10ページの本を読むなど、期限を区切った目標にします。

お子さんが進み具合を報告する日時を決めておけば、あなたからせっつく必要はありません。



3. 「もし〜したら」という言葉を使いましょう

やる気には自発的なものと外発的なものの2種類があります。



誰でも、ADHDのお子さんにはご褒美目当てではなく、興味を持ってことに取り組んで欲しいと思うものです。

しかし、達成感を自分の中に取り込むまでは、ADHDのお子さんには外発的なやる気、つまりご褒美の方が効果的かもしれません。

研究によると、物質的なご褒美は長期的な成果よりも、短期的な課題の達成に最も有効だそうです。

テストでいい点数を取ったらご褒美、というよりは、明日の提出物を期限までに仕上げたらご褒美、といった具合です。



4. ゲーム感覚で取り組ませましょう

お子さんに好きな曲を選ばせ、曲が終わる前に九九の掛け算を全部練習するよう頼んでみてください。



5. 興味のない課題を興味のある分野に結び付けましょう

これはADHDのお子さんがいる、ある母親の体験談です。

「息子が小学3年生の時、先生から「この子は勉強に興味がないんです」と言われました。

でも息子が生まれた時から見守ってきた私は、チョウを飼育するほど好奇心旺盛で学ぶことが大好きな子だと知っていました。

息子にとって、その教科に面白味がないのが問題だったのです。」

もしお子さんが野球に興味があるなら、打率の計算など、算数をスポーツに関連付けましょう。

お料理が好きなら、好きなレシピの材料を分数で量る練習をさせてみてください。



6. 体を動かし続けさせましょう

学習中はお子さんを立たせておくのも一案です。

学校の宿題などのじっとしている作業の合間に、ヨガのポーズを取ったり、「椅子取りゲーム」などの短い運動を取り入れたりしましょう。



7. 現実的な目標を立てましょう

お子さんが成功体験を積むと、その経験を繰り返したくなるものです。

お子さんが決められた時間内で実際にできる量を見極め、そこまでを任せるようにしましょう。



8. 能力ではなく努力を褒めましょう

研究によると、成績アップは固定された知能や生まれつきの才能によるものではなく、たゆまぬ努力の結果だと信じている時に、子どもの成績が最も伸びるそうです。

親がお子さんの課題をほめる時は、課題を自分でコントロールしているのはお子さん自身だということを強調するのです。



まとめ



親として、お子さんの努力と成功を見守り、サポートすることで、彼らが持つ潜在能力を最大限に引き出すことができます。

ADHDのお子さんが自己肯定感を持ち、やる気を出して課題に取り組むためには、親の理解と適切なサポートが不可欠です。

これらの方法を実践することで、お子さんのやる気を引き出し、成績向上や目標達成をサポートしましょう。


興味があるかもしれない話題としては、注意欠如・多動性障害(ADHD)に関連することがあります。例えば、ADHDの詳細について理解を深めたい方は、こちらのWikipedia記事をご覧いただけます。また、実行機能についても知識を深めたい場合は、こちらの記事が参考になります。さらに、ドーパミンの役割について詳しく知りたい方は、こちらのWikipediaページが役立つでしょう。これらのリンクを参考に、ADHDについての理解を深めてみてください。

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